子宮・卵巣のお悩み

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子宮について

子宮とは女性の下腹部にある、洋梨を逆さまにしたような袋状の器官で、骨盤のほぼ真ん中に位置しています。妊娠・出産をつかさどるだけでなく、女性の健康状態を左右しかねない重要な器官です。

子宮の病気

子宮筋腫

子宮筋腫
子宮筋腫は約4人に1人にできるといわれている腫瘍です。良性の腫瘍なのでがん(悪性の腫瘍)ではありませんが、貧血や痛みなど様々な症状の原因となります。卵巣から分泌される女性ホルモンによって筋腫は大きくなり、閉経後は、逆に小さくなります。複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。腫瘍の大きさやできる場所によって症状が違い、できる場所によって、粘膜下筋腫(子宮の内側)、筋層内筋腫(子宮の筋肉の中)、漿膜下筋腫(子宮の外側)に分けられます。

子宮内膜症

子宮の内膜は血液とともに剥がれ落ちて、月経血として膣からからだの外に流れていきます。しかし、この月経血中の内膜が、卵管を逆流し、子宮以外の場所(卵巣や腹膜)で増殖と剥離を繰り返します。結果として、その場に月経血がとどまることになり、これが炎症や痛み、周囲の組織との癒着を引き起こし不妊症の原因になることがあります。

働く女性が増え、結婚も出産も遅くなり出産回数が減ったこと、また産まない選択をする女性が増えたことで、一人の女性が経験する月経回数は増加しました。その結果、月経の度に進行する子宮内膜症が増加していると考えられるのです。

子宮腺筋症

子宮内膜に似た組織が子宮筋層の中に出来る疾患で、月経痛や月経血量の過多、不正出血、月経時以外にも腹痛や腰痛が有る、などの症状をきたします。エストロゲンという女性ホルモンが子宮腺筋症を進展・増悪させますので、月経が有る限り、子宮腺筋症は進行していきます。しばしば子宮筋腫や子宮内膜の肥厚を合併し、不妊症や流産・早産になることもあります。

子宮体がん

子宮体がん

子宮は妊娠した時に胎児を育てる部分を子宮体部、分娩の時に産道の一部となる部分を子宮頸部といいます。子宮体部に発生するがんが子宮体がんで、最近日本の成人女性において増加傾向にあるがんのひとつです。そのほとんどは、子宮体部の内側にあり卵胞ホルモン(卵巣から分泌されるホルモン)の影響をうけて月経をおこす子宮内膜という組織から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれています。

ほとんどの子宮体がんの発生には、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンとの深い関わりがあります。卵胞ホルモンには子宮内膜の発育を促す作用があるため、卵胞ホルモンの値が高い方では子宮内膜増殖症というステージを経て子宮体がん(子宮内膜がん)が発生することが知られています。妊娠・出産経験がない、肥満、月経不順(無排卵性月経周期)がある、卵胞ホルモン製剤だけのホルモン療法を受けている方などがこれにあたります。一方、このような卵胞ホルモンの刺激と関係なく生じるものもあり、このようなタイプの子宮体がんはがん関連遺伝子の異常に伴って発生するとされ、比較的高齢者に多くみられます。そのほかにも高血圧、糖尿病、近親者に乳がん・大腸がんを患った方がいることなども発症リスクが高いと言われています。

子宮頸がん

子宮頸がん
子宮頸がんの約9割は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性交渉により子宮頸部に感染します。HPVは男性にも女性にも感染するめずらしくないウイルスで、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染経験があるといわれています。しかしHPVに感染しても、90%の方は免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、残り10%の方はHPV感染が長期間持続します。このうち自然治癒しない一部の人は異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。
子宮頸がんの発症のピークが以前は40~50歳代でしたが、最近は若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。
国内では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡、また2000年以後、患者数も死亡率も増加傾向にあります。

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)

HPVの感染を予防することにより子宮頸がんの発症を防ぐHPVワクチンが開発され、現在世界の70カ国以上において国のプログラムとして接種が行われています。現行のHPVワクチンにより子宮頸がんの60~70%を予防できると考えられており、WHOはその有効性と安全性を確認し、性交渉を経験する前の10歳代前半に接種をすることが推奨されています。欧米先進国や日本においても、ワクチン接種によりHPV感染率や前がん病変の頻度が接種をしていない人に比べて減少しています。日本ではHPVワクチンは2009年12月に承認され、2013年4月より定期接種となっていますが、接種後に多様な症状が生じたとする報告により、2013年6月より自治体による積極的勧奨は差し控えられています。このような多様な症状の原因がワクチンであるという科学的な証拠は示されておらず、厚生労働省専門部会においても因果関係は否定されています。
世界保健機関(WHO)では、2019年5月に「子宮頸がん排除」という声明が発表され、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)と定期検診が普及すれば今世紀中に子宮頸がん排除が可能になると述べています。

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の
キャッチアップ接種について

令和4年4月1日から、厚生労働省がHPVワクチンの定期接種の機会を逃した方を対象に救済措置としてのキャッチアップ接種を開始しました。

  • 接種の対象となる方
平成9年4月2日〜平成18年4月1日生まれ

過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない(接種が未完)

  • 接種が受けられる時期

令和4年4月1日〜令和7年3月31日の3年間

  • 接種にかかる費用

無料

当院では子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種を行なっております。

ワクチンの接種をご希望される方は電話での予約をお願いします。

12歳〜16歳(小6〜高1相当)の方はこれまでと同様無料で接種が受けられます。
公費による接種
公費による接種

卵巣について

卵巣は子宮の両側にある親指大の臓器です。卵子の生成、成熟、排卵を行い、女性ホルモンを分泌する大切な器官です。
女性は卵巣の中に卵子のもととなる100〜200万もの原始卵胞を持って生まれてきます。原始卵胞は思春期になると成熟して卵子となり、毎月選ばれたひとつの卵子が卵巣の外に排出されます。

卵巣の病気

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍

卵巣は子宮の左右に一つずつあり、通常では2~3cmぐらいの大きさです。ここに発生した腫瘍が卵巣腫瘍であり、大きいものでは30cmを超えることもあります。卵巣腫瘍には様々な種類がありますが、その発生起源から表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに大別され、それぞれに、良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍があります。
卵巣腫瘍の症状には腹部膨満感(お腹が張って苦しい)、下腹部痛、頻尿などがありますが、小さいうちは無症状で経過することが多く、大きくなったり腹水がたまったりしてから症状が出現することが多いのです。時に腫瘍が破裂したり、茎捻転といって腫瘍がお腹の中でねじれてしまうと突然の強い下腹部痛が出現することもあります。

外来でよく見かける卵巣の疾患としては、卵巣内にチョコレートのような古い出血がたまる「内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)」、皮膚や脂肪・毛髪・歯などの体のほかの部位の組織が入っている「成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)」などがあります。

卵巣がんには、進行が早く急激に悪化するものがあります。
卵巣がんの早期発見のためには、年に一度の子宮がん検診時に内診と超音波検診で卵巣の状態のチェックをおすすめします。また、検診で問題がなくても「骨盤痛、腹部膨満感、不快感、疲労感、頻尿」などが続く場合も念のため受診することをおすすめします。

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