月経のたびにおこる下腹部や腰の痛みのことを月経痛と言います。頭痛や胃痛、吐き気、めまいなどを伴うこともあります。このような症状の原因としては、子宮の内膜から放出されるプロスタグランディンというホルモンが、様々な臓器の平滑筋という筋肉を収縮させることで起こります。
卵巣から分泌されるホルモンにより、約1ヶ月の間に子宮の内側を覆った子宮内膜が、子宮収縮に伴い排泄されるのが月経です。これは卵巣から正常なリズムで女性ホルモンが分泌され、排卵が起きていることの、一つの証です。
しかし、月経のたびに、学校に行くことができない、会社を休むほど痛みが強い場合を、月経困難症といいます。このような症状がある方は、子宮内膜症や子宮腺筋腫などの病気が隠れていることがあり、器質性月経困難症に分類されますが、子宮などに特別な原因がないものを機能性月経困難症と分類します。過半数は後者に分類され、プロスタグランディンの過剰産生などが原因とされています。10代~20代の若い世代に多くみられ、激しい痛みは一日前後の短い時間に集中することがほとんどで、不安感や精神的不安定、生活上の不摂生などが症状を強めている場合もあります。