子宮について
子宮の病気
子宮筋腫

子宮内膜症
働く女性が増え、結婚も出産も遅くなり出産回数が減ったこと、また産まない選択をする女性が増えたことで、一人の女性が経験する月経回数は増加しました。その結果、月経の度に進行する子宮内膜症が増加していると考えられるのです。
子宮腺筋症
子宮体がん

子宮は妊娠した時に胎児を育てる部分を子宮体部、分娩の時に産道の一部となる部分を子宮頸部といいます。子宮体部に発生するがんが子宮体がんで、最近日本の成人女性において増加傾向にあるがんのひとつです。そのほとんどは、子宮体部の内側にあり卵胞ホルモン(卵巣から分泌されるホルモン)の影響をうけて月経をおこす子宮内膜という組織から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれています。
ほとんどの子宮体がんの発生には、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンとの深い関わりがあります。卵胞ホルモンには子宮内膜の発育を促す作用があるため、卵胞ホルモンの値が高い方では子宮内膜増殖症というステージを経て子宮体がん(子宮内膜がん)が発生することが知られています。妊娠・出産経験がない、肥満、月経不順(無排卵性月経周期)がある、卵胞ホルモン製剤だけのホルモン療法を受けている方などがこれにあたります。一方、このような卵胞ホルモンの刺激と関係なく生じるものもあり、このようなタイプの子宮体がんはがん関連遺伝子の異常に伴って発生するとされ、比較的高齢者に多くみられます。そのほかにも高血圧、糖尿病、近親者に乳がん・大腸がんを患った方がいることなども発症リスクが高いと言われています。
子宮頸がん

子宮頸がんの発症のピークが以前は40~50歳代でしたが、最近は若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。
国内では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡、また2000年以後、患者数も死亡率も増加傾向にあります。
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)
世界保健機関(WHO)では、2019年5月に「子宮頸がん排除」という声明が発表され、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)と定期検診が普及すれば今世紀中に子宮頸がん排除が可能になると述べています。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の
キャッチアップ接種について
令和4年4月1日から、厚生労働省がHPVワクチンの定期接種の機会を逃した方を対象に救済措置としてのキャッチアップ接種を開始しました。
- 接種の対象となる方
過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない(接種が未完)
- 接種が受けられる時期
令和4年4月1日〜令和7年3月31日の3年間
- 接種にかかる費用
無料
当院では子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種を行なっております。ワクチンの接種をご希望される方は電話での予約をお願いします。
12歳〜16歳(小6〜高1相当)の方はこれまでと同様無料で接種が受けられます。

卵巣について
女性は卵巣の中に卵子のもととなる100〜200万もの原始卵胞を持って生まれてきます。原始卵胞は思春期になると成熟して卵子となり、毎月選ばれたひとつの卵子が卵巣の外に排出されます。
卵巣の病気
卵巣腫瘍

卵巣は子宮の左右に一つずつあり、通常では2~3cmぐらいの大きさです。ここに発生した腫瘍が卵巣腫瘍であり、大きいものでは30cmを超えることもあります。卵巣腫瘍には様々な種類がありますが、その発生起源から表層上皮性・間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍などに大別され、それぞれに、良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍があります。
卵巣腫瘍の症状には腹部膨満感(お腹が張って苦しい)、下腹部痛、頻尿などがありますが、小さいうちは無症状で経過することが多く、大きくなったり腹水がたまったりしてから症状が出現することが多いのです。時に腫瘍が破裂したり、茎捻転といって腫瘍がお腹の中でねじれてしまうと突然の強い下腹部痛が出現することもあります。
外来でよく見かける卵巣の疾患としては、卵巣内にチョコレートのような古い出血がたまる「内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)」、皮膚や脂肪・毛髪・歯などの体のほかの部位の組織が入っている「成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)」などがあります。
卵巣がんには、進行が早く急激に悪化するものがあります。
卵巣がんの早期発見のためには、年に一度の子宮がん検診時に内診と超音波検診で卵巣の状態のチェックをおすすめします。また、検診で問題がなくても「骨盤痛、腹部膨満感、不快感、疲労感、頻尿」などが続く場合も念のため受診することをおすすめします。